【助成報告】韓国でのソウル国際音楽祭フリンジコンサートに木村友梨香さん・佐藤元洋さんを派遣
2014年7月2日水曜日
5月22日に韓国・ソウルで行われた、ソウル国際音楽祭の関連企画「Fringe Concert」に、当財団奨学生の木村友梨香さんと佐藤元洋さんを派遣しました。
コンサートでは、ソロのほか、現地韓国のヴァイオリニストとの共演もあり、充実した滞在となったようです。木村さん・佐藤君からレポートをいただいています。
音楽祭ディレクターのGarden Seo氏と |
<木村友梨香さん>
5月21日から23日まで、「ソウル国際音楽祭」Fringe Concertに出演するために韓国へ行って参りました。このFringe Concertは音楽祭のなかの企画の一つで、音楽を学ぶ若い演奏家が出演するコンサートであり、ソウルアートセンター近くにあるバロックチェンバーホールにて行われました。
ソウルに到着した日の夜はさっそく、コンサートで共演するヴァイオリンのDongHyun Kimさんとの初合わせがありました。今回の演奏会ではソロのみではなくヴァイオリンとのアンサンブルもあり、海外で言語や文化の壁をこえて音楽で気持ちを通じ合いコミュニケーションをとるということの大切さも感じ、大変貴重な経験をさせていただきました。前日に初合わせで翌日に本番という経験は今まであまり無く、慣れていませんでしたが、短時間で2人で音楽を作りあげていく過程はとても楽しかったですし、何より刺激的でした。また今回ソロでは、韓国の聴衆の方々に自分の演奏を楽しんで聴いて頂きたいと思いから、ショパン「ワルツ第2番」とクライスラー:ラフマニノフ「愛の喜び」という明るく華やかな曲想の2曲を演奏致しましたが、本番では演奏を終えてたくさんの拍手をくださり、そのあたたかな聴衆の方々の反応にとても嬉しい気持ちになりました。少しではありますが韓国の方々と交流することが出来たなと感じた時間でした。
3日間の滞在であまり観光は出来ませんでしたが、最終日にはスタインウェイの入ったレコーディングスタジオを見学したり、また美味しい韓国料理もたくさん頂き、大変充実した3日間となりました。ディレクターのGarden Seoさんをはじめスタッフの方々、練習室をおさえるために連絡を取り合うなどお世話してくださったDongHyun君のお母様、また派遣してくださった福田専務理事様、加藤様、貴重な経験をさせていただいき感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。今回の経験を今後の音楽生活にも生かしていきたいです。
<佐藤元洋さん>
韓国のヴァイオリン・ヴィオラ奏者とも共演 |
僕にとって海外での演奏会出演は初めてのことでしたので、どんな刺激を受けられるか、とても楽しみでした。とはいえ経験のないことばかりでどうなるのか……少しの不安も抱えながら、韓国へ飛び立ちました。
今回の演奏会は、ソロはもちろんですが、韓国のヴァイオリニストとのデュオ、というプログラムが組まれていました。さっそく1日目(とはいっても演奏会前日)の夜から、合わせをしました。若手とは聞いていましたが、そのヴァイオリニストは15歳。それでも合わせをはじめた瞬間から、才能と音楽の説得力を感じました。僕が一緒に演奏したのは、シューベルトのヴァイオリンソナタでした。英語で会話をしながら、お互いに音楽の流れや音の色を確認しあいました。
次の日も、朝からリハーサルです。会場に向かう途中、ヴァイオリンの彼は楽譜屋へ。なんだろうと思っていたら、「今夜のアンコールピース」とのこと。急遽僕が伴奏を務めることになりました。パガニーニの「カンタービレ」…シンプルで美しい曲ですが、合わせるとなるとお互いを理解しなくてはいけません。楽譜もパート譜しかなく、必死に打ち合わせをしましたが、あとは本番でという形に……。
そして夜の演奏会を迎えました。まずは自分のソロ演奏、お客様は真剣に耳を傾けてくださいました。反応も日本とは違い、ストレートな印象を受けました。リストを演奏し終えた時は、会場が熱を帯び歓声が上がり、これは日本ではなかなか経験できないことだなと思いました。
続いてのデュオでは、限られた時間ではありましたがそのなかでつくりあげたシューベルトの音楽を、納得いく形で届けることができました。アンコールピースも、完璧ではありませんでしたが純粋にアンサンブルを楽しむことができました。どれも自分にとって大切な時間だったように思います。
音楽祭のパンフレット |
また、スタッフの方々をはじめ、多くの方にとてもお世話になりました。みなさん音楽に関わる方で、色々なお話を聞くこともできました。新しいつながりも生まれ、楽しく有意義な滞在になりました。自分の視野も更に広がり、この経験はきっと今後に活かすことができると思います。もっと音楽で世界とつながっていけるように、今後も努力し活動していきたいです。