室崎恵太朗さん:韓国Yeonchon MK International Piano Academy参加レポート
2025年3月4日火曜日
私は、1月20日から25日にかけて、韓国で行われたYeonchon MK International Piano Academy に参加しました。このアカデミーは、仁川空港から車で1時間くらいのところにある、ヨンチョンという小さな町で行われています。レッスンは、3人の先生のレッスンを受講して、その間にPEACEコンサートなどがあり、最後にコンクールが行われました。
ポンパバルディ先生のレッスンでは、バッハ平均律クラヴィーア曲集2巻第5番を見ていただきました。バロック様式の音楽で、キリシタン、宗教曲としてのバッハの音楽の精髄について深く解説していただきました。



ジニー先生のレッスンでは、シマノフスキが作り出した音楽のもつ、シンプルな強さや空虚感についてご指導いただきました。
ライフェルト先生のレッスンでは、ショパンのエチュードで同じようなものを毎回違うように弾かなくてはならない、ということは一体どういうものなのか、それはどのように表現すればならないのか、という点を教わりました。
アカデミー中に行われたコンクールでは、カテゴリーAでしたが(Bを希望しましたが、Aで受けなくてはならず)、シマノフスキの変奏曲で1位を獲得することができました。コンクール以外で、交流という面において自分が友達になった韓国人の中でものすごく秀でた才能のある人がいました。今回のアカデミーでは、同室に日本語の話せる韓国人がいて、大変ありがたかったのと同時に、韓国の音楽や芸術の事についてもたくさん話すことができました。
特に印象的だった出来事の1つに、漣川にいた韓国の友達の中には、ソウルの有名な英才院に行っている子達がいて会話をすることができ、良い刺激を受けました。



練習室は沢山あり、ほぼ24時間弾ける体制でしたがピアノのメーカーはよく分からない不思議なものだったり、状態がイマイチなものなど、日本と違っていて面白かったです。
韓国の冬はとてつもなく寒く、-5℃は当たり前でひどい時は-15℃くらいまで下がっていました。夜は考えられないくらい寒く、耳の感覚がわからなくなる時もあったりしました。しかしどうして、日本と同緯度なのにここまで寒いのか不思議で仕方ありませんでした。
空き時間では、海外の方(中国人や韓国人)のレッスンの聴講をしたり、海外の方々と交流し、弾き合い会を自主的に開催して演奏を聴きました。海外の方々のレッスンを受ける態度やマナーの違いや体を一切動かさない演奏スタイルなど奏法の違いを肌で感じることができました。日本でも生かすことができる新たな課題を見つけることができました。今回、親しくなれた韓国人、中国人の方々とまた、海外や国内の国際コンクールで再会出来ましたら嬉しいです。今後も精進していきます。本当にありがとうございました。


